「ぞわぞわ」する原因は自律神経の乱れ?不快な症状から身を守る方法

2024年4月27日2024年5月31日

はじめに

私たちの体には、自分では意識することのできない自律神経系というシステムがあります。この自律神経系は呼吸や心拍数、消化などの様々な体の働きを調整する重要な役割を果たしています。しかし、ストレスや生活習慣の乱れなどの影響で、この自律神経のバランスが崩れてしまうと、さまざまな不調が現れる可能性があります。その一つの症状が「ぞわぞわする」といった不快な感覚なのです。

自律神経の働き

自律神経系は、交感神経系と副交感神経系の2つの神経系から成り立っています。交感神経系は「戦う」モードで、緊張や興奮の状態を作り出します。一方の副交感神経系は、「休む」モードで、リラックスした状態を生み出します。健康な状態では、この2つのバランスが適切に保たれていますが、ストレスなどの影響でバランスが崩れると、様々な不調の原因となってしまうのです。

交感神経系

交感神経系が優位な状態になると、心拍数や血圧が上がり、発汗が増え、瞳孔が開くなどの反応が起こります。これは危険な状況に備えて体を準備する機能ですが、過剰に働くと不安やイライラなどの精神的な症状も引き起こします。

交感神経系の興奮は一時的なストレス場面では適応的な反応ですが、慢性化すると様々な自律神経失調症の症状を引き起こします。動悸、手足の冷え、頭痛、めまいなどの身体症状に加え、不眠や不安感などの精神症状も現れる可能性があります。

副交感神経系

一方、副交感神経系が優位な状態では、心拍数や血圧が下がり、消化器官の働きが活発になるなど、リラックスした状態が作り出されます。深呼吸を行うと副交感神経が優位になり、落ち着いた気分になれることからも、その働きがうかがえます。

しかし、過剰に副交感神経系が優位になると、むしろ倦怠感や眠気などの症状が現れる可能性があります。自律神経のバランスを保つことが重要なのは、このような理由からです。

自律神経のバランス

健康な状態を保つためには、交感神経系と副交感神経系のバランスが適切に保たれている必要があります。例えば、運動中は交感神経系が優位になり、休息時には副交感神経系が優位になるように、状況に応じて自律神経のバランスが変化しています。

しかし、ストレスが過剰になったり、不規則な生活習慣が続いたりすると、このバランスが崩れてしまいます。そうなると、様々な自律神経失調症の症状が現れるようになるのです。適切な生活習慣を心がけ、自律神経のバランスを整えることが大切になります。

「ぞわぞわ」する症状

自律神経失調症の代表的な症状の一つが、「ぞわぞわ」するといった不快な感覚です。この症状は、自律神経のバランスが崩れた際に現れる可能性が高くなります。

交感神経の亢進による症状

ストレスなどで交感神経が過剰に優位になると、体の各所でぴりぴりした違和感や痺れるような不快症状が生じます。特に背中や手足、頭皮などでこの「ぞわぞわ」する症状が現れやすいとされています。

交感神経の亢進は、筋肉を過剰に緊張させてしまうため、神経への圧迫が生じ、ぴりぴりした感覚が生まれるのです。また、血管の収縮により血流が悪くなり、しびれを感じることもあります。長期化するとこの症状は慢性化し、不快感が続くようになってしまいます。

不眠につながることも多いですね

不安障害との関係

「ぞわぞわ」する症状は、不安障害の一種であるパニック障害の症状としても知られています。パニック発作の際には、動悸や発汗、手足のしびれなどの自律神経の乱れによる身体症状が突然現れます。

このような状態が続くと、「ぞわぞわする」「体が遠くなる」といった奇妙な感覚に見舞われ、さらに不安が高まるという悪循環に陥ります。不安障害では自律神経の乱れが大きな要因となっており、この「ぞわぞわ」感は自律神経失調症状の一端を表しているのです。

対処法

「ぞわぞわ」する症状が出た場合、まずは落ち着いて呼吸に意識を向けることが大切です。深呼吸を行うことで、副交感神経が優位になり、不快感が和らぐ可能性があります。

また、ストレス源を特定し、生活習慣の改善を心がけることも重要です。十分な睡眠を取り、バランスの良い食事を心がけ、適度な運動を取り入れるなどして、自律神経のバランスを整える努力が必要となります。症状が改善しない場合は、専門医への相談をおすすめします。

自律神経失調症への対処

「ぞわぞわ」する症状は、自律神経失調症の一側面に過ぎません。この病態を改善するには、生活習慣の見直しと並行して、適切な治療を受けることが大切です。

生活習慣の改善

自律神経失調症の改善には、まず生活リズムを正すことが重要視されます。規則正しい睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動など、基本的な生活習慣を見直すことで、自律神経のバランスを取り戻すことができます。

また、ストレス対策も欠かせません。趣味の時間を作ったり、気分転換を図ったりと、リフレッシュの機会を意識的に設けることが大切です。ストレスを上手に発散できれば、自律神経失調症の改善につながります。

治療法

生活習慣の改善に加え、専門医の治療を受けることをおすすめします。漢方薬や抗不安薬、抗うつ薬などの投与が有効な場合もあります。また、カウンセリングなどの精神療法を組み合わせることで、より良い効果が期待できます。

中には、自律神経調整剤と呼ばれる薬剤を処方される場合もあります。この薬は交感神経と副交感神経のバランスを整える働きがあり、自律神経失調症の改善に効果的だと考えられています。

身体の歪みを整える整体など

西洋医学的な治療法以外にも、自律神経のバランスを整える方法は存在します。アロマセラピーでは、特定の香りが副交感神経を優位にさせる効果があるとされています。

また、瞑想や自己暗示、ヨガなどのマインドフルネス系の取り組みも、自律神経のコントロールに役立つと考えられています。西洋医学と東洋医学、マインドフルネスを組み合わせた総合的なアプローチが、自律神経失調症の改善に有効だと言えるでしょう。

身体の歪みは自律神経に影響を与えます。整体で体を整えるのも治療法の一つです

まとめ

自律神経の乱れは、「ぞわぞわ」するといった不快な感覚を引き起こす一因となります。この症状は、自律神経失調症の一側面を表しているのです。自律神経のバランスを保つためには、生活習慣の改善とストレス対策が何より重要になります。

しかし、生活習慣の改善だけでは解決が難しい場合も多く、専門医の治療を受けることが賢明でしょう。漢方薬や精神療法、自律神経調整剤の投与などの対処法があり、場合によってはアロマセラピーやマインドフルネスの取り入れも有効かもしれません。自分に合った対処法を見つけ、自律神経のバランスを整えることが、健康な毎日を取り戻す鍵となるのです。