風邪やインフルエンザと「身体の痛み」の深い関係~マッサージや整体は受けてもいいのか~/くじら接骨院ブログ

「風邪をひくと体がだるい」「インフルエンザになると関節や筋肉が痛くて動けない」
このような経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。
実はこの身体の痛み、単なる「疲れ」ではなく、体の防御反応として起こっています。

なぜ風邪やインフルエンザで身体が痛くなるのか?
① 免疫反応による炎症物質の影響
ウイルスが体内に入ると、免疫細胞が活性化されます。
その際に分泌されるのがサイトカインなどの炎症物質です。
これらの物質はウイルスを排除するために必要ですが、
- 筋肉
- 関節
- 神経
にも影響し、
👉 筋肉痛のような痛み
👉 関節の違和感・重だるさ
として感じられます。
② 発熱による筋肉・関節への負担
発熱時、体は体温を上げるために筋肉を使って熱を産生します。
その結果、
- 筋肉が常に緊張状態になる
- 血流が変化する
ことで、全身の痛みやこわばりが起こりやすくなります。
特に首・背中・腰が痛くなる人が多いのはこのためです。
③ 自律神経の乱れも痛みに関係
風邪やインフルエンザ時は、
- 交感神経が優位
- 体が常に「戦闘モード」
になりやすい状態です。
すると、
- 筋肉が緩みにくい
- 血流が悪くなる
- 痛みを強く感じやすくなる
といった悪循環が起こり、本来以上に痛みを感じてしまうことがあります。
風邪が治ったのに身体の痛みが残る理由
「熱は下がったのに、体の痛みだけが残る…」
こういった相談もよくあります。
これは、
- 自律神経の切り替えがうまくいっていない
- 筋肉の緊張が抜けきらない
- 回復期なのに無理をしている
といった理由が考えられます。
特に、
首・肩・背中の緊張が残ると、だるさや痛みが長引きやすくなります。
風邪やインフルエンザのとき、マッサージや整体は受けてもいい?
「体が痛いならマッサージを受けたほうが楽になるのでは?」
そう考える方も多いですが、タイミングによっては逆効果になることがあります。

結論から言うと
👉 症状の段階によって判断が必要です。
【NG】発熱・強い倦怠感がある急性期
以下の状態のときは、マッサージや整体は控えるべきです。
- 発熱している
- 悪寒・寒気がある
- 全身の強いだるさ・節々の痛みがある
- 明らかに「体調不良の真っ最中」
なぜ受けないほうがいいのか?
- 免疫がフル稼働している状態
- 血流を強く変化させることで、症状が悪化する可能性
- 体力を余計に消耗してしまう
この時期の身体の痛みは、
「ほぐせば取れるコリ」ではなく、防御反応による痛みです。
無理に刺激を入れるよりも、
👉 安静・睡眠・水分補給を最優先にしましょう。
【注意】熱は下がったが、まだだるさが残る回復初期
この段階は判断が分かれる時期です。
- 熱は下がった
- 咳や鼻水は軽く残っている
- 体が重い・首や背中が張る
強いマッサージはおすすめしません
- 揉み返しが起こりやすい
- 自律神経がさらに乱れることがある
ただし、
✔ 刺激の少ない施術
✔ 呼吸を整えるようなアプローチ
✔ 首・背中を軽く緩める程度
であれば、回復を助ける場合もあります。
【OK】風邪が治ったあと、痛みだけが残っている場合
以下のような状態であれば、
マッサージや整体が有効なケースが多いです。
- 発熱がなく、体調はほぼ回復
- 首・肩・背中の痛みが残っている
- 寝ても疲れが取れない
- 呼吸が浅い感じがする
この場合の痛みは、
- 筋肉の緊張が抜けきっていない
- 自律神経の切り替えが遅れている
ことが原因になっている可能性があります。
👉 身体を「回復モード」に戻すサポートとして、
適切な整体・手技療法が役立ちます。
受けるなら「強さ」より「目的」が大切
風邪後の身体には、
- 強く揉む
- バキバキ鳴らす
といった刺激は不要です。
大切なのは、
- 呼吸が楽になる
- 体が温まる
- 力が抜ける感じがある
といった、自律神経を整える方向の施術です。
接骨院として伝えたいスタンス
私たちは、
- 「来られるなら施術する」
- 「痛いならとりあえず揉む」
という考えではありません。
体調や回復段階を見極め、
- 今は休むべきか
- 触れたほうがいいか
- どこまで刺激を入れていいか
を判断することが、本当の身体ケアだと考えています。
まとめ:マッサージ・整体を受ける判断基準
| 状態 | 受けるべきか |
|---|---|
| 発熱・急性期 | ❌ 受けない |
| 回復初期(だるさあり) | △ 刺激の弱い施術のみ |
| 痛みだけ残っている | ◎ 受ける価値あり |
回復期に意識したい身体ケアのポイント
✔ 無理なストレッチや運動は避ける
→ 回復期は「休ませる」ことが最優先
✔ 首・お腹・足首を冷やさない
→ 自律神経の回復を助ける
✔ 深い呼吸を意識する
→ 副交感神経が働きやすくなり、痛みの軽減につながる
と思われがちですが、
自律神経や筋肉の状態を整えることで回復がスムーズになるケースも多いです。
「治ったはずなのに体が重い」
「首や背中の痛みが残っている」
そんな時は、身体の回復スイッチがうまく入っていないサインかもしれません。
まとめ(締め)
- 風邪やインフルエンザの痛みは免疫反応の一部
- 発熱・炎症・自律神経の乱れが重なって起こる
- 回復期のケア次第で、治りの早さが変わる
身体はきちんと理由があって痛みを出しています。
そのサインを無視せず、回復しやすい状態を整えてあげることが大切です。
